2015年08月25日

前提:みんな未完成

コミュニケーションのハウツー的なコラムを読んでいたらなんだか怖くなってきた。
こういうのが良い反応です、こういうのが悪い反応です、こういう風にしましょう。
自分の動き方がわからないときの参考にはなるけれど、これ全部覚えてこなすなんて無理だし、その通りに動いちゃったらそれはもう私じゃない。
あくまで参考であって鵜呑みにするものではないのはわかっているけれど、「正解」以外をすべて拒まれているような気がした。


最近、「わかってくれない人にわかってもらわなくてもいい」という言い方をする人が気になる。
その通りのときもあるけど、もうちょっとがんばろうよって時もある。
「こいつらにわかってもらおうと思わないし、なにを言われてもかまわない」っていうのは、わかりあえるか試してから言うべき言葉だ。

たしかに無理な相手はいる。そういう人に執着してもしかたない。
だけど軽くほのめかして期待通りの反応を得られなかったからといって、さっさと引いてしまったら誰ともわかりあえない。
わかんないやつに理解を求めるのは時間のむだだし、わかりたくない人に自分をおしつけてもしかたないし、争いを好まないのは貴いことなんだけど、相手にもチャンスをあげてほしい。

私はあまり回転がはやくないから、人と話をして家に帰ってから「あれはこういう意味だったのか!」とか「こう返せばよかった!」と気がついて転げまわることがよくある。
何年もたってからあのとき自分はひどかったなと思うこともあるし、今ならもっとうまく立ちまわれるのにと思うこともある。
頭で理解していても、のみこんで消化するまでには時間がかかる。
私と長くつきあってくれる人たちは、的外れでも失礼でも理解が遅くても失敗だらけでも、私を切り捨てないでいてくれた人たちだ。

相手も常に発展途上だから、今の知識では理解できないことや、今のスキルではうまく対応できないことが絶対にたくさんある。
だから、今この時点のこの問題に対するこの反応だけで切り捨てないで、過去の良い所や未来の可能性にも目を向けて欲しい。
コミュニケーションや信頼は、最初からうまくいくものよりも時間をかけてはぐくむもののほうがきっと多い。
posted by ヒギリ at 17:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・気になること | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月04日

敬老記念日

憲法記念日なので護憲集会改憲集会がひらかれました。
というニュースの映像が両陣営老人会でびっくりした。
なんなのこの白髪頭の波は。

ニュースを見るまで「休日」としか認識してなかったし多分知ってても参加しなかったけど、
未来をきめることなのに若い人がいないってのはよろしくないなと思った。
posted by ヒギリ at 15:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・気になること | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

志村真介『暗闇から世界が変わる ダイアログ・イン・ザ・ダーク・ジャパンの挑戦』講談社現代新書


真の暗闇を体験するドイツ発祥のイベント、ダイアログインザダーク(DID)の日本版を主催した人の手記。
良いのはイベント自体への興味がわくこと。行きたい。もっと知りたい。
悪いのは著者のマジョリティぶり。
自分が知らないだけのことを「知られていない」と思いこんでいる無知にいらいらする。


日本版のDIDは「ダーク」より「ダイアログ」に比重をおいて、ソーシャルビジネスとして成功をおさめているらしい。
普段目にたよった生活をしている人は暗闇に入ると無力になる。
他の感覚にたより、他者にたより、目から入る情報に惑わされずにフラットな関係をつくる経験が、あらたな価値観につながる。
暗闇で戸惑う入場者たちをサポートし、案内するのは全盲の視覚障害者たちだ。


私がDIDをはじめて知ったのは、10年くらい前だった。
短期のイベントだったころに学校の先輩がアテンド(案内役)のバイトをやるからとチラシをくれた。
そのときは行きたいと思いつつ微妙に遠いしお金ないしでためらううちに機会をのがしてしまった。
今これを読んで、行けばよかった、先輩の体験を聞けばよかったと後悔してる。
DIDが変化をもたらすのは体験した晴眼者だけではなく、アテンドの視覚障害者、関係する晴眼者、街の雰囲気にまで及ぶ。

著者もDIDにかかわるうちに変化する。
視覚障害者とかかわった経験のない人が視覚障害者と実際に接していろんなことに気づいて行く。
ただ、その気づきが遅いし当たり前だしですごくいらいらする。
視覚障害者も人間だなんて当たり前すぎる発見だ。

そもそも「視覚障害者」という言葉でアテンドをくくるのがおかしい。
暗闇で動き回れるのは「全盲」の人であって、全盲は視覚障害だけど視覚障害=全盲ではない。
しかもアテンドは全盲のなかでも「動き回れる」「イベントに参加するくらい積極的で自立した」人たちだ。
それを理解していないから、「視覚障害者の持つ高い能力」などという薄っぺらいステレオタイプな表現になる。
「日本人の繊細な感覚」「私たちが忘れてしまっている〜」というステレオタイプも頻出する。

でも、そういう人がアテンドたちとかかわるうちに、この人たちはシカクショウガイシャという生き物ではなく目が見えないただの人なんだと気づいていくようすは、どっぷりマジョリティにつかった人が目を開いていく過程そのものだ。
変われるのは希望。だけどまだまだ。
たとえば東日本大震災のときにアテンドに「実家に帰るよう指示した」というけれど、ふつう「対等な関係の成人」にそんな「指示」はしない。

ただどうもこれは著者の性質にもそうとう原因があるようだ。
DIDの独自性をしめす一例として「お金を払ってサービスをうけるがわから礼を言われるなんて普通はない」とあった。
いやいや、接客業なんてそれがあるからやっていけるようなもんだろうよ。
が、読み進めたら高速の料金所の人を人とも思わないような対応をして同乗者に注意された体験が書いてあった。
それをみて、ああよくいる感じ悪いおっさんたちは、感じ悪くふるまっているんじゃなくて本当に「できない」のか!とびっくりした。
自分と関係ない人は「人」に見えない人がいる。
この本で一番の発見はそこかも。

イベントを続けるうちに全盲スタッフと晴眼スタッフの関係が、被保護者と保護者のようにゆがんできた、という話も「普通の会社ではありえない」とあった。
いやいやありますがな性別やら年齢やらで。
「女の子はむりしなくていいから」みたいなパターナリズムはむしろ一般的でしょうや。
『マルコムX自伝』にも、黒人集団のなかに白人がいると黒人がダメになる。とあった。
女子校の女の子たちはなんでも自分でやるけれど共学の女の子は積極性が抑制されるという話にも通じる。
抑圧されているがわは他人をおしのけてまでリーダーになる自信や習慣がないから、マジョリティがでばってくると後ろにさがってしまう。
これは双方とも意識して気をつけなきゃいけないことだ。


読んでいるあいだじゅうものすごくいらいらしたんだけど、読んでみて後悔はない。
琴線に触れるものがあるからイライラするタイプの本なんだと思う。

暗闇から世界が変わる ダイアログ・イン・ザ・ダーク・ジャパンの挑戦 (講談社現代新書) -
暗闇から世界が変わる ダイアログ・イン・ザ・ダーク・ジャパンの挑戦 (講談社現代新書) -

完訳マルコムX自伝 (上) (中公文庫―BIBLIO20世紀) -
完訳マルコムX自伝 (上) (中公文庫―BIBLIO20世紀) - 完訳マルコムX自伝 (下) (中公文庫―BIBLIO20世紀) -
完訳マルコムX自伝 (下) (中公文庫―BIBLIO20世紀) -
posted by ヒギリ at 15:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評みたいなもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月13日

少子化と同性婚

一、日本には同性婚の法制度がない。
一、日本は少子化大国である。

同性婚を認めると少子化がすすむとかなんとか自民党の人が言ってたけど、同性婚を認めていない日本で少子化がすすみっぱなしなのはどういうわけだろう?
posted by ヒギリ at 21:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月10日

春や昔の春ならぬ

たまに通る坂の下に小さな沈丁花が植えてある。
一番寒い頃に咲くその花の香りをかいで、冬もじきに終わるなと思う。
それから角の家の梅が咲いて、小学校の桜が咲いて散って、新緑の季節になる。
そういう「しるし」はいろいろある。
公園の藤棚や、河原にいきなりでてくる彼岸花や、銀杏臭い道路で私は四季を知る。

特に花好きというわけでもないけれど、毎日みるから変化に気づく。
毎年おなじ景色に出会うから「ああ今年もきたな」と感じる。

原発事故や戦争や迫害や貧困や自然災害や人災や、いろいろの理由で移住を強いられる人たちは、仕事や住まいといった基盤だけでなく、こんなとるにたりない大事なものも奪われているのだな。
どこかに行くために出ていくのと、ここにいられないから行くしかないのとでは、おんなじものを失っても痛みは違うんだと思う。
posted by ヒギリ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月28日

「最後まできちんと言いきっていけたらなあと……」

ここ数年インタビューなどでよく見かける「○○していければなあと……」という言い回しが嫌いだ。
語尾を濁して察してもらおうという性根が気に食わない。
はっきり最後まで言え。

「○○していただければと…」が流行りだしたのは、目上の人や客に「してください」を使うのは命令形だから失礼だとかいう意味不明の「マナー」がテレビで放送されたのがきっかけだったと思う。
で、していただければ何なの?
嬉しいの?ありがたいの?助かるの?誰が?

分厚い「マナー」の梱包をはがす手間をかけさせることは失礼にあたらないんだろうか。
相手が誰であれ強く言わなきゃいけないときはある。
指示に抵抗があるなら頼む・お願いするという手もある。
意味するところが同じならわかりやすく伝える方がよほど親切だ。

まして自分の未来の展望を「○○していけたらと……」なんて語るのは、ぼやかす理由すらわからない。
自分のことなんだから「します」と言えばいい。
有言実行の自信がないなら「したい」でもいい。
この他人事っぽい曖昧さは責任転嫁に通じるものがある。
自分の希望くらい言い切る覚悟を持とうよ。


ついでに「トイレをきれいにご利用いただきありがとうございます」も嫌い。
まだ使ってないのに当てつけがましい。
ここから店側の意図をくみとって、こちらの都合や気持ちをおもんぱかってきれいにつかってね、ってのはかなり図々しい要求だと思う。
きれいに使ってほしいという要求自体は当然だ。察して下さいってのが図々しい。
伝えたいのは「ありがとう」ではなく「汚さないでね」なのだから、正面から「きれいに使って下さい」と呼びかけるほうがが、いさぎよくて私は好きだ。

2015年02月15日

児孫の為に我田引水

ACのCMで、貧困国への寄付かなんかのがあった。
女性の声で、財産の一部を寄付してもいいかなと父に言われた(よい意味で驚いた)、とかってナレーションが入る。
いっぺん見ただけだから細かく覚えてないんだけど。
いただいたお手紙をもとに再現しましたとあった。

それを見て驚いた。
生きてる人が自分の財産の使い道について自立した子供の許可を得ようとするものとは思わなんた。
一緒にためた財産の使い道を配偶者と決めるならわかるけど子供にきくの?
同居の家屋とか共同経営の店とかじゃない、独立した資産で?

言っておいたほうがゴタゴタしないだろうけど承諾を得るようなことじゃない。
財産ってのはその人のもので、(扶養義務も含め)本人が使って、あまったら子供が優先的にもらえるんだと思ってた。
じじばばが教育資金や結婚費用を負担するよう求める税制改革とかもそうだけど、「親の物は子の物」って考えがあんまり強調されすぎなのはよくない。
そんなに囲い込まないで、おかねはもっと天下に回そうぜ。
いやこのCM自体は他人に残すのも素敵ねって言ってるんだけど。
posted by ヒギリ at 12:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・気になること | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
タグクラウド
Aセク Aセクシャル BL CM DV GID goo IDAHO IS LGBT MINMI NHK Roots sad TLGP UFO X−MEN あるある いじめ うさぎ おしゃれ おやつ お勧め こんにゃくゼリー しつけ ひきこもり まゆ もったいない もとはしさとこ ものづくり やっかみ やり直し やる気 アイデンティティ アカー アセクシャル アトピー アニメ アメリカ アルバイト アンパンマン アン・スモーリン アート イギリス イタリア イベント イラン インターネット インド インナーチャイルド インフルエンザ ウサビッチ エイズ エドワード・ゴーリー カップル思想 カムアウト キャロル・オフ クィア クローズアップ現代 ケア ゲイ ゲーム コミュニケーション ゴーリー サポート システム ジェンダー ジャッキー・ケイ ジョン・ガイナン スキヤキウエスタン スパム スポーツ セクシャルマイノリティ セクシュアリティ セクマイ読み タイトル評 テレビ ディロン トーベ・ヤンソン ドキュメンタリー ドラマ ナショナリズム ニューカマー ニュース ニート ネット ネット広告 バイセクシャル バッシング バリアフリー パウロ・コエーリョ パレード パワーハラスメント ビッグイシュー ピーコ ファクタ ファンタジー ファン心理 フィルタリング フェミニズム フリーター ブクログ ブラ男 ブログ ブログ村 プライド ヘテロセクシズム ヘテロセクシャル ペット ホモソーシャル ホモフォビア ホワイトカラー・エグゼンプション ボランティア ポジティブ マイノリティ マジョリティ マスコミ マタニティマーク マナー マナー向上員 ママ ムーミン メディア メディアリテラシー メンタル モラル ラジオドラマ ラベリング リテラシー レインツリーの国 レゲエ レベッカ・ブラウン 三森ゆりか 三谷幸喜 上野動物園 上野千鶴子 下着 不妊 不安 不幸 不正採用 不況 不登校 世代 中学校 中村文則 事件 事故 二丁目 二千円札 二次加害 京極堂 京極夏彦 仕事 体罰 倉敷市 倉本智明 倫理 偏見 健常 健康食品 優先席 優生思想 児童 児童書 入管法 全盲 写真 写真集 冤罪 出産 制服 動機付け 動物 北朝鮮 北海道 卒業 厚生労働相 原因論 原爆 参院選 友人 可愛い 吉永みち子 同性愛 名づけ 名付け 名前 君が代 和歌 和歌山県 和田秀樹 図書館 国旗 国連安保理 地下鉄 地域 地震のこと 報道 売春防止法 売防法 外国人 夢判断 大人 大分 大学生 大統領選 大阪 夫婦 女性 姑獲鳥 婚姻 子ども 子供 子宮頸がん 子持ち 子無し 子育て 学校 学生 安倍晋三 安全 安心 宗教 定時制 宮城県 宮沢賢治 家事スキル 家庭 家庭科 家族 寓話 対処 対話 小中学校 小学校 小説 少子化 少年犯罪 少数派 就労 尾辻かな子 島村洋子 島根県警 工藤定次 差別 差別用語 希望格差 常識 平野広朗 幸せ 府中青年の家 引きこもり 弱者 弱視 心理 心理学 思い込み 性善説 性教育 性暴力 性犯罪 性的指向 恋愛 恋愛至上主義 情報 愛情 感動 感情 慣れ 我慢 戦争 戸籍 手引き 批判 投票 拷問 携帯電話 摂食障害 支援 政治 政策 教員 教職 教育 教育再生会議 教育再生懇談会 教育委員会 整理 斉藤環 新潟 新聞 日本の、これから 日本テレビ 映画 普通 景気 暴力 暴言 書評 月経 有川浩 服装 未婚 本多孝好 本能論 札幌 朴裕河 村上龍 条例 東京プライドパレード 東京都 東北農政局 松森果梨 柳沢伯夫 格差 桐野夏生 梨木香歩 森永アロエヨーグルト 権利 横浜市 欲求 正義 歩行 死刑 民主党 洋画 活字中毒 浜崎あゆみ 清水尚 熟年 父親 特報首都圏 犯罪 猿橋賞 珍名 理解 生徒 生活保護 生理 生理的 男性 町村官房長官 異性愛 異性愛至上主義 痴漢 発達障害 百合 盲導犬 知る権利 短編集 砂川秀樹 社会 社会不安障害 神戸市 福祉 税制 童謡 笑い 管理 紅白歌合戦 経済 結婚 結婚式 絵本 練馬区 署名 美学 義務 義務教育 義家弘介 聴覚障害 職場環境 育児 脳内メーカー 自分探し 自己肯定感 自死 自死遺族 自殺 自閉症 芳賀優子 芸能 芸術 若者 薬物 虐待 行事 行政 表現 裁判 西村賢太 規制 規範 視覚障害 視覚障害者との接し方 親切 親子 言葉 訃報 詐欺 評価 読売新聞 読書 貧乏性 責任 足立区 農業 遊び 運動 道徳 遥洋子 選挙 邦画 都城市 配慮 野球 障害 集団 雑誌 難聴 電車 非行 韓国 音声信号 音楽 飲酒 飲酒運転 餓死 駅員 駒尺喜美 騒音 高校 高校生 高楼方子 鳩山法相 DHC