着飾って嬉しそうな子が少々と、着物に疲れてぐったり不機嫌な子が大量。
人から聞いた話では、子供のお披露目らしき行事があるところもあるらしい。
親御さんは準備にげっそり。
子供は見せびらかされて挨拶させられてぐったり。
招待された客は別に興味ないのにつき合わされてうんざり。
十二月、恋人達のクリスマス。
から、あぶれた人たちはみんなで楽しくやりましょう!でパーチー。
気の置けない仲間とすごすのは楽しいよね!
とばかりもいかない気遣いまみれの無礼講クリスマス・忘年会・新年会。
もはや誰のためだかわからない。
楽しみたい人の、楽しみたい人による、楽しみたい人のための行事、だけでいいよう。
ってなことを思うたびに思い出すのはフィリフヨンカさん。
「いったい、だれがこないんですか」
「おじさんとおばさんなのよ」
と、フィリフヨンカは大声でさけびました。
「夏まつりには、毎年、ふたりに招待状をだしているのに、ちっともこないの」
「だったら、だれかほかの人を、まねいたらいいですよ」
とムーミントロールがいいました。
「ほかには、だれも親類がないんです」
と、フィリフヨンカが説明しました。
「だって、お祝いの日の晩餐には、親類の人をよぶのが義務ですものね」
「じゃ、あなたは、それをたのしいことだとは、お思いにならないんですの?」
と、スノークのおじょうさんが、たずねました。
「もちろん、思いませんよ。わたしのおじもおばも、まるでたのしくない人たちですもの」
(略)
「きっと、おじさんやおばさんのほうでも、おもしろくないと思っていらっしゃるんじゃないかしら。 だったら、かわりに、ゆかいなわたしたちを、招待してくださらないこと?」
「なんですって!」
フィリフヨンカは、おどろいてさけびました。
(略)
「ほんとうはね」
と、フィリフヨンカはゆっくりゆっくりいいました。
「わたしたちみんなが、たのしくないと思っているんだったら、あの人たちをよぶ必要は、ちっともないわけね」
「ええ、ありませんとも!」
と、スノークのおじょうさんがいいました。
「そして、これからもずっと、わたしがだれかすきな人とお祝いをしても、だれの気持ちもきずつけないかしら。 その人たちとは、親類じゃなくても?」
「ぜったいに、だれをもきずつけやしませんよ」
ムーミントロールがたいこばんをおしました。
するとフィリフヨンカは、ほっとして顔をかがやかしながらいうのでした。
「そんなに、かんたんなことだったの? まあ、すばらしい! さあ、これからわたしたちで、わたしがいままで知らなかったような、たのしいたのしい夏まつりを祝いましょう。 はじめるのよ! ね、いいから、わたしに、すてきな思いをさせて!」トーベ・ヤンソンAmazonランキング:12595位
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