2016年01月21日

死んでない人は生きている

自分のなかで落としどころを見つけられていない部分にふれる質問をされた。
折り合えてないから答えられないけど折り合えてないからごまかすこともできない。
で、はあまあこんなような感じといった具合ということも無きにしも非ずといった風で…のような、嘘ではないけど明確でないむにゃむにゃした返答をした。
そしたら、「ああ、そうやって生き延びてきたんだね」と言われた。

ああー。そうか。
私は、自分がなんもしてないから言うべきことのなにもない時間をひたすらすごしてきたつもりでいるけれど、今生きている私は生き延びてきたのか。
そういや今までを並べてみると、まったくドラマチックじゃない体感のわりには大変そうな(あるいはどうしようもない)道幅ぎりぎりのとこを歩んでるな私。

徹頭徹尾がんばってないけど、ちょこっと、ほんのちょこっとだけ、ここにいる自分をねぎらってやってもいいんじゃないかなって思った。
posted by ヒギリ at 20:38| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月11日

国民的アニメと国営放送の成人の日(フライング)


成人の日まえの昨日、ひさしぶりに「サザエさん」を見た。
クリーニング屋の娘が自分の成人式そっちのけで店の手伝いをしていて、父親である店主は本当は晴れ姿がみたいと思っている。それを聞いたイソノさんちが協力して晴れ姿をみせてあげるのも親孝行とかなんとかいって、娘を説得してめでたしめでたし。てな話だった。

古き良き昭和の話だし、晴れ着をきせてやることが間違ってるわけじゃない。
だけどアニメの善良なるイソノさんちはあまりにも無邪気にマジョリティで、それ以外の価値観が存在すらしないようにみえる。
それ以外の価値観が見えないと、そこにあてはまらないものを排除されている気分になる。
これを見たのが二十歳のころだったら、キツかっただろうと思う。

私は成人式にでなかった。式自体も嫌だったし盛装もしたくなかった。
私はトランスじゃない。でも性別に期待される役割にはなじめない。
今は嫌なりに折り合えているけれど、10歳ごろから15年ほどはしんどかった。
19歳のときは呉服屋のDMを憎悪して、くるたびに受け取り拒否の手続きをしていた。
リクルートスーツも喪服も買いたくなかったし、中学の制服だって10回くらいしか着てない。

衣装自体は我慢できる。
拒絶したかったのは、中身を衣装に同化させられることだ。
私にとってジェンダーの衣装は、「あなたはこういう人だよね」と勝手に決めつけられるようなものだった。

自分でないもののふりをしつづけるのは苦しい。
相手の思い込みに合わせなければいけないと思っていたときはものすごく生きづらかった。
違うなら違うと言っていいし、言っても生きていけるとわかったから今はすごく楽になった。
「ふつう」にとらわれて自縄自縛だったころに、「晴れ姿を両親にみせて成人式に出るのが親孝行」以外のコースが見えない話をみたら、きっとキツかっただろうと思う。


サザエさんのすぐあとにやってたバリバラがLGBTの回だった。
最初の数分しか見られなかったけど、出演者紹介の時点ですでに多様性炸裂で癒された。
くっきりはっきりした越境者だけが特例としてマジョリティ様から容認していただけるんじゃなくて、こっちとあっちをふらふらしたり、どちらともつかない場所にいたりする人もいるのが当たり前のことと認識されている。
同じ日の同じような時間の全国放送で、こういう情報も見られるってことに救われてる。
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